Ogura Manabu

米国債30年物金利の動向

AAA格付を得ているのはイギリス、フランス、ドイツ、スェーデンなどのヨーロッパ諸国だ。そしてこれらの国々は財政状況はアメリカよりマシでも、軍事力も経済力も政治力も米国に劣る。そしてユーロを一国としてみてみても、GDPでこそアメリカを抜くものの各国のユーロに対する結束力は連邦政府に対する各州の比ではない。

なのでAAA格付を得ている国単独でも、ユーロ全体でもアメリカに代替する覇権国になり得ない以上、米ドル以外に基軸通貨性を見出すのは困難だ… ということになる。

私自身はずーっと米ドルに対して悲観的だったが、昨日のジム・ロジャーズの言う事を聞いて、また米国債のオークション市場が活況で金利を押し下げていることを見ていると少し意見が変わった。ドルは、破滅しない。基軸通貨性は今後うっすらと失われていくとしても、一気に崩壊はしないだろう。考えうるパターンとしては、しっかりしたユーロ、あるいは国際化した人民元を有する中国がアメリカと十二分に伍していくだけの力をつけたとき、基軸通貨性はユーロか人民元のどちらかを目指す。

8月2日以降、債務上限引き上げがなされない間は米国債保有者からの出血はあるだろうが、今日の米国債オークションでも売り出しに対して3倍の注文が来ているという。それが中央銀行なのかマネーファンドなのかは分からないが、オークションで買い注文がつかないという状態とは程遠い。

AAA格付が失われたところで、人々の心の中での「米国しかない」という状況が続く限りは米国債は買われ続け、ジリ貧ではあってもドル崩壊というドラマチックかつ悲惨な展開は期待できない。今は膠着状態でも、最終的には何らかの政治的決着はつく。そしてその後はまたリスク資産のインフレだ。逆に今こそリスク資産の買い入れ時なのかも。

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