Ogura Manabu

WSJが入っているビル(セントラルプラザ)も新鴻基


"新鴻基"といえば、香港人で知らない人はいない。新鴻基(Sun Hung Kai、広東語読みでサンホンゲイ)は李嘉誠ひきいる長江集団に比肩する、香港を代表するコングロマリットであるからだ。中核事業の不動産部門では香港の高層ビルの高さトップ3であるIFC2、ICC、セントラルプラザの3つが新鴻基が建設したものだ。

そして通信事業でスマートーン、駐車場のウィルソンも新鴻基グループ傘下の企業で香港の街中を10分も歩けば出くわす。

新鴻基がつくる不動産は香港では人気で、長江集団が作る不動産と比較して価格はおよそ1.2倍くらいになるが品質はそれ以上のものだと評判だ。日本人が香港に移住してくる場合でも、「新鴻基が建てたものに住みたい」と指定してくる場合もある。(ちなみに、新鴻基よりも品質がいいと言われるのは航空会社のキャセイ・パシフィックをもつスワイヤグループの不動産である。スワイヤの不動産は数が少ないく、品質も最高だが値段も最高だ)

新鴻基は会社のストラクチャーも分かりやすく、長江集団のように節税対策のために数々のBVIを間に噛ませているような構造の会社とは違うので株式投資家からのウケも良い。積極的に大陸での不動産開発にも参加しており、莫大な富をグループ内に蓄積している。

その評判がよくクリーンな新鴻基のトップ二人(トーマス・クオックとウォルター・クオック、二人は兄弟)が今週木曜日に汚職対策局により逮捕された。容疑は今のところ"収賄'となっているが、詳しいことは分かっていない。サウス・チャイナ・モーニング・ポストは新鴻基のトップのウォルター・クオックが数年間政府の役職を得て出入りしていた際に、同じく香港大手デベロッパーのレイトンヒルがハッピーバレーという高級住宅地に400平米の高級マンションをウォルター・クオックに貸していたことに関係していると報道している。

香港のタブロイド紙など他のメディアではウォルター・クオックが何をしたかよりも、今回の行政長官選挙と今回の新鴻基とを関連付け、"新鴻基疑獄"と政治的な文脈で報道している。すなわち、新しく当選した行政長官のCYは今までほとんど聖域であった不動産デベロッパーにまで踏み込むぞ、と(ただし、CYが行政長官として仕事をはじめるのは8月から)。

逮捕のニュースが報道され新鴻基の株式は20分間取引停止。取引が開始され金曜日までに12%下落している。

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