Ogura Manabu
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JPモルガンに賠償請求を検討している投資家グループの弁護士。WSJより

バブル破裂が終わったら、必ず犯人探しが始まる。誰が悪かったのか、こんな状況を許したのは誰か。犯人が見つかって、裁かれたらそこであたかも金融史の歴史が一度リセットされたかのようになる。

そしてまた、どこかに新しいバブルの種がまかれる。

JPモルガンが1.26兆円(!!)の罰金が課されると聞いて、これで人々の頭の中のサブプライム危機の記憶は一度リセットされるのではないかと思った。

ちなみに公平のために言っておくとJPモルガンは巨大投資銀行の中でサブプライム危機への貢献度が最も少ない、と個人的には思っている。今回のJPモルガンに対する罰金は、サブプライムなローンが含まれた投資商品を投資家に売りつけたことに対して、である。

僕は買い付けたほうにこの罰金が課されないのが不思議で仕方ないなるほど、買い付けたほうは損失を被った被害者である。買い付けたのは機関投資家や年金基金であるので、すなわち投資家は毎日を素朴に真面目に働く労働者である。

将来の年金を危機に陥れたのはケシカラン!というのは素朴な心情としてはよく理解できるのだが、この問題の根本のみならず全てのバブルとその崩壊の問題の根っこはリターンを上げたいがために大きなリスクに目をつぶってしまうそのマインドセットにある。

要するに、リスクとリターンの適切な関係を重過失的に無視する傾向が投資家にはあるのだ。なので、リスクがどこにあるのかを無視した商品を多少のリターンがいいからと買う投資家のマインドが一切責められないのはちょっとどうなの、と思ってしまう。この投資家からのリターン突き上げが結果としてヤバイ商品の金融価値を高めて回りをリスクに巻き込んでいく。

もちろん、投資家としては利回りの低下、元本割れという罰を既に受けている。それに、投資家に罰金を払わせる制度なんてこの世界に存在しない。ただ「僕ら被害者だよ!むしろカネ返せよ!」と今風の消費者のようにいて終わったら、また同じことが繰り返されるだろうなと重く。

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