Ogura Manabu


30億人民元を集めて10%の利回りをうたった理財商品(WMP)が1月29日にデフォルトしそうになった。債務主体はCredit Equals Gold No.1という金採掘の会社で、発行主体は中诚信托という信託銀行だ。ICBCがこの理財商品の販売チャネルとなっていた。

記事によると、債務不履行を防ぐために第三者の介入があったそうだ。その第三者は国有の不良債権処理会社の華融資産管理の名前が出ているが明らかではない。結局、その第三者のおかげでデフォルトに陥ることなく投資家は約束された利回りの3分の2ほどを受け取れることとなった。

中国で少しでも商売に関わった経験があれば容易に分かることだと思うが、カネの流れとしては

ICBCが分厚い販売手数料で売る
中诚信托がCredit Equals Goldに資金を流す
中诚信托がCredit Equals Goldからリベートを受け取る

という構図が先に出来ており、WMPの保有者はこの構図に乗っかる形となる。今回は第三者の支援があったおかげでWMPの保有者がリスクを負うことはなくなったが、このような件は中国の訂正長のもと頻発するだろう。そしてリベートを受け取ることで義理や人情といった人間関係が優先されビジネスは後回しになる。ビジネスが後回しになれば潰れるべき会社が潰れずに残り、経済のガンとなる。

さらに、もっと悪質なパターンが考えられる。すなわち信託銀行に理財商品を作ってもらい、流れてきた資金をそのまま横領して高飛びするというパターンだ。

もしかしたら今回のパターンもそうかもしれないが、もしその事実が知れ渡ると理財商品を購入する人がいない=クレジットを提供する主体がいなくなり理財商品市場が干上がる。

今回のように不良債権管理会社を使ってシャドウバンキングが貸しつけた債権を買い取る機関ができるとなると、国が民間を助ける形となる。

理財商品は、債権者(理財商品購入者)が債務者(今回でいうとCredit Equals Gold)の信用状況を知らずに購入してしまう点でサブプライム危機(クレジットスコアの低い個人の信用状況を機関投資家やヘッジ・ファンドが知らない)と似ているが、救済の方法までも同じになりそう。

中国政府が不良債権ばかり束にした、いわゆるバッドバンクを設立すればシャドウバンキングがシャドウでなくなる。

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