Ogura Manabu

 

1
不動産価格の上昇率。ほぼゼロに近づく。


内需の拡大へのドラスティックな転換がなかなか出来ないでいる中国。これは中国だけが悪いのではなく中国から輸入するアメリカや日本、ヨーロッパの輸入力が弱っているためでもある。

しかも、習近平の汚職撲滅運動によりその消費すらも怪しくなってきているので中国はますます不動産投資に頼らねばならない… のだが、不動産市場がまた転換点を迎えようとしている。

中国の不動産市場は、価格上昇圧力と下落圧力との拮抗をきちんと見つめないと単にニュースで「ヤバい」と言われるからなんとなくそう考えてしまう、という思考停止状態になる。

まずは価格上昇圧力のほう。

現状、中国政府の不動産投機への規制によって「買いたくても買えない」層がいる。たとえば複数物件を持てるような富裕層たちだ。彼らは銀行から借り入れせずに不動産を買えるだけの余裕がある。また初めて家を買うような若いミドルクラスは「投資ではないから財布の許す限り家を買いたい」と思っている(投資であれば「高い」「安い」を気にするが、自分で住む家はそれを気にしない…という感覚が強いようだ)。

マンションは高値圏で在庫がダブついているが、仮に価格が15%下がればそれにともない需要も増えるという弾力性がある。また政府が規制を解けば不動産価格は再び上昇するだろう。

次に価格下落圧力。

デベロッパーが手元にキャッシュがない。なので在庫を速やかに処分し次のプロジェクトに資金を回さなければならない。デベロッパーがキャッシュに詰まれば詰まるほど、ディスカウントの幅は大きくなる。また、不動産投資の主要な客であったビジネスオーナーたちが借金で首が回らない。感覚なのだが、中国人のビジネスマンは縮小にめっぽう弱い。通常で商売拡大、最低でも現状維持。コストカットして商売の規模を落とし次のチャンスを伺う…ということがなかなか出来ないようだ。仮にビジネスを取り巻く環境がどうであっても、自分のビジネスだけは力強い成長を続けられる…わけがない。

これらの要素が絡み合って、しかし不動産価格への信頼が失われたわけではなく大方の中国人の間は「おそらくこのレベルで高止まり、もし下落することがあっても政府が何らかの介入をする」というのがコンセンサスのようだ。

 

 

コメントを投稿するにはログインしてください