日本人チーム

第二次安倍政権が発足(2012年12月26日)し、アベノミクスと日本銀行による量的緩和が功を奏し、株価が高騰しました。1万円前後だった日経平均が今では1万7千円台に突入。日本銀行の予想を裏切る追加緩和がさらなる後押しとなっているようです。

高騰している株価とは裏腹に、消費者の景気に対する信頼感は低く、景気回復に向かっていると感じていないようです。実際に日本の景気は回復しているのでしょうか。経済危機を乗り越えたアメリカとの現状を比べてみたいと思います。


☆アメリカの現状 ー 参照記事
 

 

経済指標:経済危機以前に迎えたピーク時を100とした各指標の現在までの推移
情報ソース:JPモルガン、BEA、連銀、スタンダード&プアーズ、


アメリカも日本と同じように株価は上昇しており、その勢いはリーマンショック前のピーク時を超えています。景気拡大が開始して以来年間で19.3%も上昇しているのです。

同じように株価が上昇しているアメリカと日本ですが、アメリカは日本と違って景気が回復したと考えられています。それは6つの経済指標から読み取ることができます。

その6つの経済指標とは、「企業収益、株価、家計純資産、GDP、設備投資、雇用」で、その内、雇用を除く5つの指標が経済危機以前まで回復しただけでなく高値を更新しているのです。(雇用はピークであった2007年1月の数値までまだ回復していない。)

さらにサイクルの底だった米国経済は、2009年7月から比べ20.7%も拡大しており、M&Aは2007年にピークを迎え、設備投資が過去5年間で58%も成長しています。


☆日本の経済指標を読み取る
 

それでは日本の経済指標はどうなっているのでしょうか。

※企業収益 ⇒ 未回復

リーマンショック前の企業収益の最高値は、2007年の第一四半期に記録した396兆4390億円ですが、直近の最高値は2014年第一四半期の345兆3293億円となっており、まだ回復していません。


出典:財務省、法人企業統計


※GDP ⇒ 回復

実質GDP(国内総生産)は、リーマンショック以前の最高値であった2007年523兆6858億円を更新(525兆3658億円)しています。名目GDPはデフレが続いた影響で下落しています。

出典:IMF - World Economic Outlook Databases


※株価 ⇒ 未回復

意外にも追加緩和によって高騰している株価も、リーマン・ショック前の高値(1万8261.98円)をまだ更新していません。

出典:Yahoo Finance


※家計純資産 ⇒ 回復

よく街角インタビューでサラリーマンや主婦に対し景気回復を感じているかどうかを質問していますが、景気に対してポジティブな返答はほとんど見受けられません。

しかし、日本全体の家計純資産は増加しており大きく記録を更新し続けています。この背景には日本の富裕層が保有しているリスク性資産、つまり株式や不動産などの価格が上昇しており、その恩恵を享受していることが一番の要因だと考えられます。

実際今アジアの富裕層の人数とそのボリュームが、世界と比べ一番成長しており、その中の富裕層を占めている国が日本と中国といった状況です。

 

出典:日本銀行「資金循環」


※設備投資 ⇒ 未回復


借金だらけの日本政府と違い、キャッシュリッチな企業ですが、まだまだアベノミクスに便乗して設備投資を行おうといった動きがみられません。今後は円安が進むにつれ海外投資よりも国内投資が増加していくとの予測があるように、まだ様子見の段階なのではないでしょうか。

出典:経済産業省企業金融調査


※完全失業率 ⇒ 回復


完全失業率ですので、職がない状態で求職活動を行っている人の割合を示しています。またこれは月別の失業率をグラフにしたものです。リーマンショック前までの数字には回復しているようです。

 

出典:総務省統計局「労働力調査」


☆実体経済が追い付いていない株価上昇に要注意。


日本は現在6つの経済指標の内3つが経済危機前の水準まで戻っているようです。アメリカとは違い、日本は企業の回復、つまり実態経済の回復に至っていないようです。

株価の上昇は実体経済の先行指標と言われてはいますが、この上昇は追加緩和によって起きたバブルです。実体経済の改善が見られていない限り、その大きな揺り戻しが起きてもおかしくない状況だということに気をつけておいたほうがよさそうですね。


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