Yuji TOGAO

今回は中国人民元切り下げ緊急SP!
行列が少しだけできる投資相談所~UG所長が親身に時にはアッサリ答えます~

1)投資に関して質問があっても誰に聞けばよいか分からない方

2)投資に興味はあるが、シャイな性格のため躊躇している方

3)アドバイザーの情報を参考にしたい老若男女(同業者歓迎)

このような方の為に、UG所長が一肌脱ぎました。
本日は記念すべき第10回目です。
※過去の相談内容はこちら(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)
 

本日の相談者


56歳男性(靴工場経営、投資歴20年、趣味はトライアスロン)

ご相談内容


2015年8月11日、中国人民元の対米ドルに対する中間値を切り下げる政策を発表し、 人民元安が急激に進んでいます。中国に協力工場&ベンダーも多数抱えているため、今後の人民元相場の行方が気になります。所長はどのようにお考えでしょうか? 

UG所長からの答え


同様な質問を多くの方々から受けており、弊社の調査&分析チームの情報を参考に今回の人民元切り下げ政策の影響を把握して頂ければ幸いです。

 

今後、人民元安は継続するのか?



→中国政府の意向により今後も人民元安が継続した場合、現在の人民元市場は自由市場ではなく、中国政府が管理していることに留意する必要がある。 また、今後の人民元相場の動向に着目する場合、主要経済指標(輸出&貿易&資本統計や外貨備蓄など)にも着目する必要があり、下記要因の今後の動向に影響があると考えられる。


Q1:人民元安がどのくらい輸出分野に影響があるか?

→何%以上の人民元安であれば、輸出分野にメリットがあるかを考えた際に通貨価値の動向だけではなく、原材料費&人件費&光熱費のコストアップ分を考慮しなければいけない。

つまり、2%ほどの人民元安になったとしても上記維持費用を賄うことができないが、もし、中国政府が10%以上人民元安に誘導することができれば、輸出分野にはメリットがあると思われる。

しかしながら、中国政府主導の強引な通貨安になった場合、国際的に中国政府や人民元に対する信用度が落ちるため、資本の国外流出(キャピタルフライト)が増加し、中国経済&金融市場が混乱するリスクがあることも忘れてはいけない。

参考)過去10年間の中国製造業に従事する従業員の給料推移




Q2:資本の国外流出(キャピタルフライト)のリスクとは?

→現在、人民元相場は中国政府が管理しているため、通貨の需要&供給のバランスが反映されていないのが現実。また、中国政府も投資家も市場の需要と供給に合った「適正相場」が把握できていないのが問題である。

つまり、投資家達の信頼がなくなり、国外へ資本流出が主流になった場合、人民元は急激に売り浴びせられ、通貨安に歯止めがかからない状態になる。過去、多くの新興国(ロシア&インドなど)通貨は資本流出により大幅な通貨安を経験しており、通貨安を防止するため、利上げ&自国通貨の爆買を実施している。

人民元市場は官製相場であるがゆえに、中国政府も多くの新興国と同様に人民元の爆買が開始されると予想される。


Q3:経済指標以外に考慮すべきことは?

→中国政府は今回の人民元切り下げ政策に対する世界からの評価を気にする必要がある。 人民元相場が下落(人民元安)する過程で影響を受けるのが、他のアジア諸国であり、通貨安戦争の敗者&自国経済の不況&金融市場の混乱は避けたいのである。


Q4:人民元安に伴う金融市場への影響は?

※人民元建て定期預金の場合:

→現在の人民元定期預金は年率3%ほどの金利があり、人民元が3%下落した場合は利息を相殺しまい、それ以上人民元安になった場合はマイナス運用になってしまう。

しかしながら、人民元定期預金は官製相場故に他通貨に比べ変動率が低く、高利回りでもあるため、保守的な運用先として人気がある。

※人民元建て債券の場合:

→人民元建て定期預金と同様なリスクですが、社債の場合、発行元の企業の信用リスクには注意が必要です。

※中国株式市場の場合:

主なポイントは以下の通りです。

1:人民元安により外貨で収益がある輸出企業は恩恵を受ける(外貨から人民元へ)

2:収益は人民元であるが、外貨で負債を抱えている企業はデメリット
(例:航空会社&国内不動産会社など)

3:収益は人民元であるが、支払いが外貨である企業
(例:輸入企業など、人民元から外貨へ)


  
所長の結論


今回、中国政府は国内輸出産業の活性化のために人民元の下落シナリオを決定したが、過去2年間は他のアジア諸国の通貨安(人民元高)を認めていた。今後、人民元は急激に下落するとは考えずらい。

主な理由は3つあります。

1:資本の国外流出を止めたい

2:通貨安戦争のリスクを抑えたい

3:人民元を国際通貨として世界に認められたい

なお、今後は30%-50%の確率で2-4%強の人民元安トレンドはあると思いますが、 現在の経済成長率及び中国政府が市場を管理しているため、急激な人民元安にはならないと思います。


UG所長は定期的に皆さんからのちょっと聞きづらい質問にお答えしています。
今後もご期待ください。
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